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コミュニケーションの基礎と電話のマナー

2022.05.17

 

新型コロナの影響による在宅勤務の増加やスマホの普及によるLINE利用者の増加などで、この数年で対人関係におけるコミュニケーションの取り方が、特に非対面時において変わってきているようだ。
そのような環境下、大別して「言語の正確な使い方」と「心構えを伴った配慮の有無」によって、円滑なコミュニケーションがとれるかどうかに影響が出るものである。

例えば最近コンビニのレジで店員さんが「レジ袋はどうされますか?」の問いかけに、「大丈夫です。」と答える若年層が多い。
店員さんは「袋が必要かどうか」を確認しているのに対し「結構です。」「お願いします。」といった明確な回答がされず、「自分に不都合は無い」といった趣旨での話になってしまっている。
「大丈夫」の語彙の拡大解釈で意味不明とはならないが、実は自己中心的で極めて失礼な回答となってしまっている事を知らない人が多いようだ。

「言語の正確な使い方」については別の機会に掘り下げるとして「心構えを伴った配慮の有無」の方が、コミュニケーション、特に非対面時において老若男女問わず注意すべき課題と言える。
筆者が社会人になりたての頃受けた指導の一つに、「電話は暴力である事を認識して利用すべし。」なる項目がある。
一般的に電話マナーとして取り上げられるのは、

・敬語を正しく使う。
・2コール以内に出る。
・伝言メモを残す。
・静かに電話を切る。
・用件を整理しておいてからかける。    等々

テクニカルな項目を羅列しているネット記事や、研修テキストなどが多くをを占めている。
凡そこの種の記事を書いたり著述している人物や会社などが多い為、電話の持つ最も基本的な注意点が行き渡らないのであろう。
言い換えればこれらの情報発信元は、基本的にアドバイスなどが出来るレベルに無いと考えられ、その内容の信憑性は相対的に低い。

「電話が暴力」とは、鳴れば出なければならないという点にある。
特にビジネスの場合それは当たり前のこととなるわけだが、始末に悪いのは「電話の受け手がどんな状況であっても、鳴った場合は電話を優先してとる。」ということをわかっていない「残念な掛け手が多い。」点にある。
筆者は新入社員時に「残念な掛け手になるのは、厳に慎め。」と一番最初に教え込まれたわけである。
これは外線・内線のいずれにも共通で、始業前・終業後に他の組織に電話をするといった非常識な行為を行ったり、電話をかけ相手が電話に出た際「今、お電話でお話ししても良いですか。」など相手の状況を確認しない無作法を行った場合、当時の上司や先輩から、思いっきり叱られたものである。

無論、連絡すべき情報の重要性・緊急度等々により、優先されるべきケースも多々あるのは理解できるしその際の連絡を遠慮すべきとは思わない。
しかしながらかかってきた電話を受けた際、お話ししたい相手が不在だと「また明日かけます。」「改めます。」と言って切られるケースがしばしばある。
このようなケースは「優先度・緊急度の判断や、電話をかけた先の環境を配慮できない残念な方が電話してきた。」と分類され、内線の場合かけた側を「仕事が出来ない組織・人」、外線の場合「意向掌握重要注意先」「電話がかかってきた社員が不祥事を働いている可能性あり」などの判断される物差しとなる事を教え込まれた。
この指導はその後の社会人生活でも、大変役に立ったものである。

 

この種の最も基本的な事が遵守できるようになった上で、先に列挙した事例のようなテクニカル項目を身に着ける事が必要だと筆者は考える。
また現代では電話以外にメール・LINE・Zoom等々文字・画像など多岐に亘った非対面のコミュニケーションツールが揃っており、それらを上手く組み合わせる事で、お互いに効率的且つ緻密なコミュニケーションがとれる事も多くある。

例えば①先にメールし、②フォローの電話でニュアンス等を伝え、③結果結論をメールで頂き正確さを期す  といった具合である。

コミュニケーションは双方の意図・感情・情報を、正確・迅速に双方が共有し、課題・目標を円滑・効率的に解決・達成する上で重要なステップである。
そこには思いやりやマナーといったソフトの部分が基礎に存在する事で、相互理解は大きく深まるものである。

いずれにしても「少しの配慮と思いやり」で、相手の期待を上回る結果を提供できる環境が醸成できれば「負荷の少ないSDG‘s」(≒自然に持続可能な開発目標)がサイクル化される様な気がするのである。
たくさん電話をかけている=仕事を一生懸命しているといった時代ではないのだ。

 

ただ、筆者の場合しゃべる際に口の開きが悪いせいか、相手方が聞き取れないケースが多いらしい。
数回続くと家庭では家内からは「はっきりしゃべって欲しい」と苦情が出る。上手く処理を進めないと「負のSDG‘sサイクル」に陥りそうなので、最近ははきはき元気よくしゃべるように心がけている。(60歳を超えてである。)
これも家庭内のマナーであろうか???
ただし耳が遠くなると自動的に声がでかくなるケースが多いようで、その塩梅にも注意しなければならないようだ・・・。

執筆:Y.O

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