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最近「ウェルビーイング」なる言葉を耳にする機会がしばしばあるが、その意味合い(意味では無く)をご存知の方はあまり多くは無いのではないかと感じている。
というのもこの単語、結構広義且つ良い意味での曖昧さを以て使われているからである。
そもそもは1946年にWHO設立に際して設立者の一人が「健康」を定義づけた際に、初めて「ウェルビーイング」が登場する。
Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
(健康は、完全な肉体的、精神的及び社会的福祉の状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない)
出典:厚生労働省 昭和26年官報掲載の翻訳
これにより「ウェルビーイング」は「身体的健康」だけではなく、「精神的・社会的に良好な状態」と広い意味として定義されている。
しかも「状態」という表現から一瞬ではなく持続した状態の意味を持つことになった。
これでは冒頭の通り、意味合いは個々の受け止め方によって異なるわけである。
最近 この言葉が取りざたされる機会が増えたのは、GDP(客観的Well-being)と生活満足度(主観的Well-being)のギャップが増大し、働く事で得られる充足感が貧困なままである事が問題になっているからのようである。
働く事で得られる充足感(幸福度)は、従来は収入増大で得られると思われてきた。
しかしながら価値観の多様化(自由奔放?)から、収入増大だけでは得られなくなっている事が現状のようである。
他方、日本人の文化(習性)として仏教に代表される「心の安寧」は、昔から重要だとされてきた。
このことを考えると西神の基本的概念は変わっていないが様々な刺激や攻撃が世の中に氾濫し、自ずとフラストレーションや悲壮感が増大する傾向にあるように思う。
日常生活において他人を思いやる心や振る舞い、他人を頼り過ぎないといった自立心などを念頭に、多少なりとも周囲の人の充足感を妨げないように暮らしていきたいものである。
ちなみに筆者の主観的Well-beingは、美味いお酒と少しのおつまみがあれば急速に拡大するようである。
執筆:Y.O