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損害保険の基本的考え方

2022.01.25

この冬はここ数年で、降雪量が目立っているようだ。雪害や風災(台風等)、地震といった天災などは一時期に多くの損害を多数の人に与える事になる。
ここでクイズだが「降雪に絡む被害で保険金が支払われるケース(範囲)」は次の内どれだろうか?

  1. 積雪により車庫が倒壊した。
  2. 凍結した道路でスリップし、電柱に当たってしまった。
  3. 降雪による物流渋滞が発生し、納期に遅れ遅延金を請求された。
  4. 家の前の除雪に際しお湯をかけて溶かしていた。その後お湯が凍結し、それがもとで隣家の人が転倒し骨折してしまった。
  5. 降雪により電線が切れ電源喪失が発生。入学試験が出来なくなってしまった。

正解は「全て保険金で損害が補填される事故に相当する」である。

そもそも損害保険の補償対象となる事故の基本的3要素は「急激・偶然・外来」とされる。
この3要素+数理にかなった(確率論において発生率、収支面での保険料と保険金が妥当な範囲に収まる事)条件であれば、「損害保険は組成」が可能なのだ。
尤も社会的に問題があるような補償制度は除かれるが。

今回の例でいえば、

  1. 火災保険(雪災)
  2. 自動車(対物)
  3. 費用利益保険
  4. 個人賠償責任保険または施設賠償責任保険
  5. 職業賠償責任保険または費用損害保険

などが保険金支払いの対象に含んでいる。

気を付けなければいけないのは「どんなリスク(損害)」を「どの程度まで補償」するのかによって、加入する保険の種類や保険料が異なる点である。
また補償して欲しいリスクが社会的道徳的に問題があるのかないのか、そもそもリスクの発生する原因(行事、行為など行動・活動も含む)が社会的に可とされるものなのかなども問題になってくる。
要は「何のためにどんな保険が必要となって、加入したのか」をはっきり認識する事が、大きなポイントになるわけである。

6人家族で外出する事が多い家庭が「外出に車が必要」「経済的制限がある」といった理由を優先に軽自動車の新車を購入した場合、「6人全員が一緒に乗れない」といった不都合が起こってしまう。
環境にもよるが購入に際し、「中古のミニバンを手配する」「レンタカーを併用する」といった代替案も含め検討した上で購入されていれば、問題はあまり大きくなることはないであろう。
自動車といった物品の購入での目に見える購買とは異なり損害保険の場合、「事故」という対処しなければいけない非日常の事象においてはじめてその効力が発揮される商品である。
購入の際は遠慮なく取扱先に質問・注文し、満足・納得いく保険に加入する事が大切なのだ。

昨日家内と買い物に出た際、あるショッピングセンターの一角で閉店セールが行われていた。
普段、筆者があまりにも小汚い恰好をしている為、見かねた家内がそこそこ名の売れたブランドのジーンズが半額なのを見つけ買ってくれた。
試着をしなかったのが間違いでサイズ感は良いのだが、形がラッパー系の方が愛用されるダボッとしたものであった。
還暦の白髪ジジイが手を出してはいけない領域の代物だが、立場上これからしばらくは嬉しそうにして使っていかねばならなくなった。


繰り返すが「購入の際は遠慮なく取扱先に質問・注文し、満足・納得いくものを選ぶ」事が大切なのである。

執筆:Y.O

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