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人間はミスをする生き物

2022.02.10

筆者は仕事の都合上、ウィークデイは大阪に住み週末に神戸に帰る生活をしている。
神戸の家は戸建てで平日は誰もいない為、夏場は雑草が多く生えて困っていた。そこで1年発起し、整地の上防草シートを敷き、その上に人工芝や砂利を敷き詰め雑草が生えにくくしたのである。業者見積を取るとうん十万円かかる事がわかった為、DIYで行った。おかげさまでかなりコストダウンは図れたが、1か月程度毎週末は作業で潰れてしまいかなり疲労した事を覚えている。

その結果雑草の処理は格段に楽になり「してやったり!」と喜んでいたが、秋が来て落ち葉の季節になると今度はその掃除が相当大変なのが判明した。
長毛の人工芝は落ち葉を絡めとる為箒などでは簡単にとれず、バクテリアによる分解もされない事からどんどんたまっていってしまったのだ。
結局、耐水性のある屋外用掃除機を別途購入し、ようやくきれいに保てるようになった。

このように人間は多かれ少なかれ必ずミスをするものであり、ミスを減らす事は出来るかもしれないが皆無にすることは無理なのである。これを一般的に「ヒューマンエラー」と呼ぶ。

「ヒューマンエラー」は大別して2種類に分けられる。
一つは「意図しない行動」によって生じるケース、今一つは「意図された行動」により所応じるケースである。

前者は本人や周囲の人間も予想できていない行動から発生するもので、エラーにつながる可能性を本人が理解できていないケースが殆どのようだ。所謂「うっかりミス」といったもので、その内訳としては「見落とし・やり忘れ」「判断ミス」「注意力・認知力低下」などが挙げられる。(人工芝は判断ミス?)
これに対し後者は、業務になれた者が起こしやすいケースで、その内訳は「手抜き」「故意」などが挙げられる。
いずれの場合においても日常業務に照らし合わせてみると、いつ発生してもおかしくない(≒目新しいものではない)事が原因であると言えよう。

このようなエラーを撲滅することは至難の業であるが、その発生頻度を押し下げ防止策を構築する為に、次の通りいくつかの基本的な考え方が提唱されている。

 ①機会最小→誘発する業務を無くす事。
 ②フールプルーフ→エラーを出来なくしてしまう。
 ③単純明快→作業・業務をやりやすく(わかりやすく)する。
 ④注意喚起→知覚させる・気づかせる。
 ⑤予知→予測させる・能力レベルを上げる。

いずれの場合も見ればすぐ理解できるがヒューマンエラーが多発する現場(組織)では、こういった考え方による改善策がなされていないか、うわべだけの処理となっている可能性が非常に高いと言える。
「ダブルチェック」「注意喚起をした」程度しかエラー発生後の対策を記していない改善報告書は、本気で改善なんか考えていないに等しいものなのである。

さて前記①~⑤の考え方に基づいて防止策は立案するものであり、防止策自体は「エラー数の減少」「発生時の被害最小化」の2点をポイントとして策定すれば良い。
構築作業自体は多少面倒だが出来上がって稼働・機能すれば、業務の効率化にも直結して来るものになる。
即効性があるといわれる対策を、以下に3点紹介する。

 ① 誰でもできる化→マニュアル作成
 業務・作業の属人化を排する事で、万人が分かるようになりエラーを減少させる。
 多くの人にチェックしてもらい、内容のアップデートを欠かさないことがキーとなる。

 ② 各人(各組織)のタスクの見える化→グループウェア(≒スケジューラー)の活用
 業務における連携を相互に見える様にする事で、エラー発生の芽を刈り取る効果が期待できる。
 記入ルール遵守と相互に確認チェックする事が肝要で、スタッフ相互間でスケジュールを確認し合う環境が必要である。

 ③ 定型業務の自動化
 昨今取り沙汰されるDX化などの一環で、単純作業・ルーティン業務などを自動化する事である。
 ロボットに作業を任せたりRPAを活 用するなどはこれにあたり、エラー発生の削減+業務効率化が期待できる。


いつになく堅い文章となったが、一旦ヒューマンエラーが発生すると業務はそこで停止してしまい、場合によっては(例えば交通系業務などの場合)死者が出てしまうなど組織への影響は計り知れない状況になってしまう。
「人間はミスをする生き物」という定義を念頭に、ステークホルダー全てが円滑・安心・安全に暮らしていける環境を創造・維持していく事は重要ではないだろうか。

かく言う私は昨日神戸の実家の物干しに、目詰まり予防の為洗って干した人工芝用掃除機のホースを干しっぱなしで大阪に戻ってしまった。「人間はミスをする生き物である。」

執筆:Y.O

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